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大阪からなかなかここまで来ないでしょう?家を引っ越して仕事場を探していたら友人がやっていたこの場所がたまたま空いていました。シェアオフィスのようにして、何人かで仕事をしています。制作はここで、たまにぶらりと通りに出たり、喫茶店に入ってアイディアを考えたりね。
--イラストのお仕事を始めたのはどういう経緯で?
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名古屋のデザイン事務所に勤めていたときに、デザインよりも絵を描きたくて。でも絵の具の使い方や技術的なことが全く分からない。今考えれば好き勝手にやれば?と思うのだけど当時は頭が硬くて(笑)。シルクスクリーンの会社と縁が会ってデザイン事務所を辞めて、3年程勤めました。仕事が終わってから自分の作品を作っていました。東京に絵の売り込みにも行ったけれど全然仕事にもならない。思い切って東京に引っ越したのが26歳くらい。なんとか30歳過ぎから少しずつ形になってきたかな。
--ご自身のドローイングを「瞬殺芸」とも表現されていますが、「速く、だけど美しく。気の抜けたように見せつつ」みたいな塩梅を意識されていますか?
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意識しないように、意識。意識して意識しないようにする!? 考えすぎるとダサくなる、けれど考えないと形にならないからそこの塩梅は難しいけれど。さらさらと描いたラフ絵を超えられないと思うときがあって。もともと僕の絵はユルイから、ラフスケッチの絵を見ながら似せて描く、みたいな良く分からない構造にもなります(笑)。より良くなることもあれば、はじめのラフスケッチを超えられないことも・・・・・
--そして、遠山さんがテーマに掲げる「愛と反逆のラインドローイング」とは?
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以前、展示の機会に友人が作ってくれたキャッチコピーが気に入ってそのまま使わせてもらっています。略して「アイドロ」。昼ドラっぽい愛やら憎しみの響きもいいなと(笑)。僕のスタンスは、「これが描きたい」というより、「こんな線が書けたらこれを絵にしてみよう」「こんなやり方をしたら面白いよな」みたいな「形」からやってみて、結果的にいい絵が書けたら面白い、というもので、しっくりきたのがこのキャッチコピーでした。
--キャッチコピーもそうですし、過去の展示タイトルも面白いですね。
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荻窪のTitleという本屋さんで個展した時は「UNTITLE」に。吉祥寺のにじ画廊でやったときは、にじ(二時)の前だから「いちじ」。ダジャレ&おやじアートです(笑)
--ダジャレアート(笑) では、今回の個展のタイトル「時間が止まるアート展」が生まれた経緯を教えてください。
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まず日本語にしたいな。そして、固有名詞ではなく説明のような言葉にしたくて「時間が止まる」で終わらせずに「アート」も入れて。そこだけ時間も音も止まっている、例えるならノイズキャンセラーを付けている感覚と空気感を求めました。DMOARTSは多くの人々が行き交う商業施設にあるギャラリーなので、ここで絵を見るときだけは時間が止まっている、というイメージです。
--なるほど。個展ではフライヤーのような軽やかなドローイングが並ぶイメージでしょうか?また、描き下ろしなど教えてください。
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そんな感じです。死ぬ気で描いてます!! 大声で「頑張ります」!!(真顔)
--それは楽しみです! 絵の話に戻りますが、作品に鳥のモチーフを多く使われていますね。
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内面から描きたい衝動があるわけではなく「対象物を見てその形をどう描くか」に興味があるので、テーマを一つ決めたほうが描きやすい。吊り目の女の子の目なら奈良美智さん、みたいに。色や素材や手法を変えると同じモチーフでも違うものになります。そこに意味よりも面白さを感じる。瞬間の実験というか。やり過ぎず、やらなさ過ぎずの塩梅が難しいですけど。
--現在の軽やかなドローイングは何を使って描いていますか?
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クレヨンや鉛筆、サインペンです。特に変わった画材は使ってません。
--遠山さんは子供ワークショップや「ピカソ模写の会」を開催されていましたが、何かきっかけは?
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ワークショップは楽しい仕事の一環です(笑)。模写の会は、子供の絵画教室をやっていた時に、子供が描いたピカソの絵が面白くて。どちらが本物か分からない。大人も子供も関係なくピカソを模写したら面白いのではないかと思ったのがきっかけでした。
--遠山さんは無類のサッカー好きでもありますが
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ガンバ大阪好きな僕が世界一好きな場所はパナソニックスタジアム吹田(笑)真面目な話、試合はもちろん選手、戦術、スタジアム、出資会社、サポーター、観客動員数、U23 、ユースなど、取り巻く全ての環境が気になります。一つの事を突き詰めて、それを他の世界に当てはめてみるとみえてくることがあって面白いです、俯瞰して全体を見てから一部分を見たり、その逆も。
--最後に、個展で何か伝えたいことを教えてください
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絵の意味を考えるよりも、線の気持ちよさみたいなのを皆さんそれぞれが自由に感じてもらえたらいいなと思います。
ARTIST PROFILE
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遠山敦 / Atsushi Toyama
鳥をモチーフとした絵を多く描き、作品集「Birdbook」「ColordBirdbook」他、書籍、ポスター、CDジャケット、テキスタイルデザイン、ウィンドウデザイン、音楽絵本「まこちゃんのドロップス」等の仕事を手掛ける。イラストの仕事の他に、「Kids WORKSHOP in SUMMER」(世田谷ものづくり学校)、「窓ガラスに大きな絵を描こう」(神戸アートビレッジセンター)、「土と足で遊ぶアート体験」(INAXライブミュージアム)等 、日本各地で楽しみながら絵を描くワークショップを開催している。世界で一番好きな場所はパナソニックスタジアム吹田。
atsushi-toyama.tumblr.com
協力
ARCHIVES
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遠山敦 / Atsushi Toyama
鳥をモチーフとした絵を多く描き、作品集「Birdbook」「ColordBirdbook」他、書籍、ポスター、CDジャケット、テキスタイルデザイン、ウィンドウデザイン、音楽絵本「まこちゃんのドロップス」等の仕事を手掛ける。イラストの仕事の他に、「Kids WORKSHOP in SUMMER」(世田谷ものづくり学校)、「窓ガラスに大きな絵を描こう」(神戸アートビレッジセンター)、「土と足で遊ぶアート体験」(INAXライブミュージアム)等 、日本各地で楽しみながら絵を描くワークショップを開催している。世界で一番好きな場所はパナソニックスタジアム吹田。
atsushi-toyama.tumblr.com
--ここに来る道中は海がとても綺麗でした。そしてこの仕事場は素敵ですね。この環境から今の遠山さんの絵が生まれるのですね。