猫将軍 個展「NEKO」

ダイナミックな画風と毒々しくも艶やかなスタイルで圧倒的人気を誇る猫将軍。3年ぶりとなるDMOARTSでの個展を前にお話しを伺いました。

何かに挑み続けているのかもしれない

--DMOARTSがスタートする前からお付き合いの長い猫将軍さんですが、インタビューは初めてなのでプロフィールもかねてお話しを伺います。 digmeoutのオーディションを受けられたのはいつですか?

  • 2004年ですね。友達に「こういうギャラリーカフェがあるよ」と教えてもらったのが当時のdigmeout CAFEで、初めて古谷さん(現digmeout ART&DINER マスター)に作品を観て頂きました。それからオーディションを受けて、イラストレーターとして現在に至ります。

  • --DMOARTSがスタートする前からお付き合いの長い猫将軍さんですが、インタビューは初めてなのでプロフィールもかねてお話しを伺います。 digmeoutのオーディションを受けられたのはいつですか?

--2004年がデビューという事は今年で15年ですね!

  • そうですね、早いですねー。

--何度も聞かれたと思うのですが、猫将軍と名付けた由来を教えてください。

  • 中国の神様の名前です。音の響きやフレーズが気に入りました。覚えてもらいやすくて言いやすいというのも仕事の上で役立つので、デビューした時から名乗っています。猫が好きで名付けたのではありません。

--これを英語にしたら「Show Gun (ガンを見せろ)」、オフィシャルサイトは「nekoixa.com(ねこ戦)」、そして作家名に「将軍」。何かに挑んでいるかのようですが?

  • ははは、そういう部分はあるかもしれないです。きっと、自然と挑んでいるのかも知れないですね。

15年目にして初猫です

--今回の個展について教えてください。タイトルはズバリ「NEKO」です。

  • 実は猫の絵をきちんと描くのは今回が初めてです。猫将軍と名乗っているので、原点回帰というか、満を持して描くというか。ある意味、これも挑んでいますね。それと、この個展では作品集もdigmeout pressより発売します。

  • --今回の個展について教えてください。タイトルはズバリ「NEKO」です。

--猫のどういったところを描こうと思っていますか?

  • 猫の野性味です。猫はペットとして飼われているのに野性味が残っているし、人間と寄り添って生きている犬とは違い、ペットになり切れていない感じがします。可愛い一方でワイルドな一面があるの猫を描きたい。私自身は犬派だから猫を被写体として距離を置いて描いていたけれど、今の頭の中は猫のことだらけです(笑)。

--幾つか拝見しましたが、作風が鳥獣戯画の印象もありました。

  • そのイメージも持っています。いつもより和テイストも醸し出しています。

    デジタルではなくアナログで描きました。画材は、鉛筆、インク、目の部分は色鉛筆を使っています。

黒を綺麗に見せること

--一連の作品のストーリーやインスピレーションについて教えてください。

  • その時に頭に浮かんだものをサッと描いて仕上げていくので、ストーリーは必ずしもあるわけではありません。猫も今のことしか考えていないし、私も今は猫のことしか考えていない。敢えて言うなら、色々な猫が登場します。今まで描いていなかった猫を大放出です。

  • --一連の作品のストーリーやインスピレーションについて教えてください。

--猫将軍さんは動画サイトから火が付いた、今でいうならYouTuberのようでしょうか?

  • まだSNSが今ほど発達していなかった頃に、絵を描く様子を動画でアップしていったら再生数が増えてそこから相当広がりました。今はもう動画はやめました。もっぱらツイッターで発信していますね。

--絵のアイディアやヒントはどこから得ますか?

  • 漫画が好きなので影響を受けていると思います。個人的にはJoJoの荒木飛呂彦さんが好きですね。

--製作するうえでこだわっていることがあれば教えてください。

  • 一番のこだわりは、黒を綺麗に見せることですね。黒を使うことが多いので、全体のバランスには神経を使います。書道をやっていたので黒に惹かれるのかもしれません。あと、グロテスクな直接的な表現は避けています。その印象だけ与えたいと思いますから、例えば血を苺の赤い汁で表現をするなど。描くときは、ダンスミュージックやヘビーメタルをガンガンにかけてノッている状態にしていますね。

  • --製作するうえでこだわっていることがあれば教えてください。

--将来やってみたいことは?

  • 展望と言うほどではないけれど、今回は猫に初挑戦をしたので、これからも描いたことの無いものを描いていくのも良いかなと思っています。

Director’s eye

  • DMOARTSでは約3年ぶりとなる猫将軍さんの個展。猫将軍さんの作品を語る上で欠かせないダイナミックさや躍動感。加えて、モチーフは緻密に描き込まれており、細部まで丁寧にこだわった表現が施されています。インパクトがあると同時にミクロの視点で観ても美しい、そんな原画を一堂にご覧いただける機会です。猫将軍が「猫」をいっぱい描いている、という初めての試みからも、その熱量が伝わると思いますよ。

ARTIST PROFILE

  • 猫将軍 NekoshowguN
  • 猫将軍 NekoshowguN

    1982年生まれ。和歌山在住。
    動画サイトから火が付き、日本のみならず欧米でも人気の高いアーティスト。 digmeoutプロジェクトでの個展のほか、ゲームのコンセプトイメージやジャケットイラストなど、数多くのアートワークを手掛ける。
    nekoixa.com

    [個展]
    2018
    DUNGEON」ヴァニラ画廊(東京)
    2015
    SHOW AT HIVEDMOARTS(大阪)
    2013
    Appetite for MadnessDMOARTS(大阪)
    2012
    NekoixaDMOARTS(大阪)
    2011
    Beasts DMOARTS(大阪)
    2009
    DELICIOUSdigmeout ART&DINER(大阪)
    2008
    NekoshowguN Exhibitionacrimony (LA)
    2006
    crazy&classydigmeout CAFE(大阪)

    [主な活動歴]
    2014
    作品集&メイキングブック「ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 猫将軍」 (翔泳社)
    2012
    氷室京介「WARRIORS」ジャケットイラスト/CMアニメーション (ワーナーミュージック・ジャパン)
    2011
    ゲーム「ロリポップチェーンソー」キャラクターデザイン(角川ゲームス&グラスホッパー・マニファクチュア)
    2003
    ~ ゲーム「GUITARFREAKS」「drummania」シリーズクリップイラスト(KONAMI)

協力

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