EXHIBITION

  • 曄田依子個展「獅子狛」

    2011. 12. 28 Wed. - 2012. 1. 17 Tue.

    アーティスト・曄田依子による「獅子狛」をテーマにした作品展です。
    中国の唐時代の獅子が仏教とともに朝鮮半島を経て伝わったと言われる「獅子狛」は、魔除けに用いたところから「拒魔(こま)犬」と呼ばれたという説もあり、新年にふさわしいモチーフです。

    今回、この展覧会に先立ち、住吉大社に曄田依子の獅子狛作品を奉納。展示作品に祈祷を行います。
    飾るだけで運を呼ぶ、縁起の良い「獅子狛」作品をぜひお楽しみ下さい。
    現代の人間を描写したいと思った時、私は人を描くのではなく犬を描こうと決めた。

    人の歴史と同じだけ犬の歴史がある。そして犬の習性や体系の変遷を追うと、人のそれよりもより顕著に変化していると感じた。
    犬を描くということは、即ち人が犬にしてきたことを描くことである。犬は人の鏡である。
    これは私の中の物語であるが、人が死後仏となるならば、犬も仏となりえるのが現代ではないだろうか。

    私たちは犬を犬以上に感じる感性を既に身に付けている。

    一方、作品の中で依代となる獅子狛は、ライオン(インド)に始まり獅子(中国)となり、朝鮮半島を通って、最終的に日本に落ち着いた時には犬、というユーモラスに変異する。

    時間と距離と人によるメタモルフォーゼである。
    先祖が生んだ狛犬と、現代人が造った愛玩犬。

    これらのねじれをより集め、現代に適応した獅子狛を描く。



    曄田依子
    武蔵野美術大学油絵科卒。 2006年より創作活動開始。 現代アジアに混在する華やかな伝統を、現代の視線を取り混ぜて視覚化する。艶やか、鮮やか、危うさ、妖しさ、可愛さ、怖さ、洒落、粋、酔狂、何とこの世は旨し甘し美しかな。